高三の時には言えなかった気持ちが言葉になって溢れ出たのだ。

 私は顔が真っ赤になっていくのがわかった。

 その顔を隠すように後ろを向くと左手で赤いチョークを持ち、黒板に

『ずっと好きでした』と書いた。


 すると、佐久間先生は右手で白いチョークを持って

『僕もです。お付き合いしてください』と書いたのだ。

 二年前と変わらないとても美しく達筆な字で。