密と蜜~命と共に滴り堕ちる大人の恋~



 もう聞きたくない!!

 だけど、この日本海が見たくなる。故郷の海だから。

 孤独という荒波が押し寄せては砕かれていく。私の孤独は砕かれる事なくこの体内にあるのに。

 私の孤独も砕いてほしい。

 それとも、波間に浮かぶ銀色の道を渡ってしまえばラクになれるのだろうか……。


 ───昨夜も冬樹は私の身体を愛した。なにも気づかずに。

 私は気づいている。女の年齢に伴う身体の変化に。まだ生理は順調にきているけど、それでも年齢によって子供を授かりにくくなったり、産めなくなったりする。


 公園で小さな子供を遊ばせている女性を見るとタイムリミットという時計の長針が槍となり私の子宮を突く。


 誰も乗っていないブランコが『キィー』っと泣きながら寂しく揺れている。

 女の子がお城を作っている砂場の砂が『サラサラサラ』と風に乗ってきて目に入った。

 痛くて目を瞑る。滲み出る涙。

 神様は私に「もっと泣け」と言ってるの? だとしたらちょっと酷いよ……。我慢強い私だけど、限界間近。