町内会のおばさんがごみの分別や出し方についてうるさいという絵理。

 収集日を間違えて出したり、分別しないで出すと、そのごみ袋をわざわざ玄関まで持ってくるそうだ。そして長々と三十分のお説教。

 私はそのおばさんタイプ。ごみの分別は地球上で暮らしている者にとって最低限のマナーだと思う。



 姑が家に来て、漬け物や煮物など手料理を置いていく。それを「有り難迷惑」という敦子。

「この前なんて私が作ったグラタンを見て、これが夕飯なの? 育ち盛りの子がいるんだからご飯食べさせなさい、って。これ置いて行ったのよ」

 と、敦子が見せた携帯電話の画面には胡瓜や茄子などの漬け物が写っていた。

「漬け物なんてスーパーで買えるのに。そのうち糠床持ってこられそうで嫌なのよね。部屋中が糠の匂いになったらどうしよー。ああ考えただけで寒気がするわ」


 不満や愚痴をいう同級生たちの顔が幸せそうに見える。

 幸せそう、なのではなく、『確実に幸せ』なんだ。