「どうしたの?」
俯く私に神谷は優しく問い掛けて
また手を繋いで歩いてくれた。
実の兄である紅葉が居ながらも、私はそれをやめる事は出来なくて。
「ごめんな紅葉。
俺が酒濃く作ったせいで。まだちゃんと歩けないみたい」
神谷はそう言うが紅葉は「送ってくれた訳だし問題ねーよ」って笑った。
違うよ神谷。
私ちゃんと歩けるよ。
だけどもし今後遊べる事がなくなったらって考えると怖くて…。
神谷には素直になれてた。
紅葉とは違う安心感や心地よさを覚えたから
友達で居れなくなるのがただ怖いんだよ…。
どうして私は自分を塞ぎ込んだのか
どうして私は人と関わるのが嫌になったのか…。
全てを思い出した。
