あたし近づいてきた男。
・・・ナオト?

と呼ばれる男は
下を向くあたしの顔を覗きこんできた。


目が合い、ナオト・・・くんは顔を赤くして目を見開いた。


「え、なっなんで?!
結愛ちゃ・・・ん、ほんもの?」

慌てたように聞いてくるナオトくんに

「あ、は・・・い」
とりあえず頷いてみる。

いや、ほんものだし



「うわぁ、超可愛いんだけど!
やっべぇ、テンション上がるー!!

え、待って、てか俊!

お前いつの間に結愛ちゃんと仲良くなったんだよぉ!!」


コノヤローと叫ぶナオトくんは、勢いよく俊先輩に飛び乗った。



するとめんどくさそうにナオトくんを引き離す俊先輩は、

「言っとくけど、たまたま今ここで会ったから話しかけただけだよ?



まぁ、確かに可愛かったからお気に入りにしたけどさ・・・」


俊先輩はなぜか最後の方だけ、ナオトくんにしか言わなかった。何言ったんだろ??

一瞬目があった気がしたんだけど・・・



ナオトくんは何を言われたのか、とにかく驚いていた。


「俊がっ!
俺の結愛ちゃん取ったぁあぁああ!!」


いやいや、あたしいつからナオトくんの物になってるんですか?


暴れまくるナオトくんを見ながら心の中で突っ込む。


「はいはい。・・・でも、結愛ちゃんは俺のファンじゃないから」


俊先輩はナオトくんを慰めようとしてるんだろう。



あー、なんか二人が兄弟に見えてくる。




「へ?
てことは、もしかしてー・・・?」

何かに気づいた様子のナオトくん。




「そう、たい「俺かぁー!!やっぱりな♪
結愛ちゃんは俺を選んでくれると思ったよ~」



ニヤニヤしまくるナオトくん、それを苦笑いで見るあたしと俊先輩。



ナオトさんは・・・





とりあえずアホだということがわかった。