『一颯)先輩…変な人ですね』

『南朋)あははっ
よく言われる』

先輩は私の隣に座り煙草を吹かす
グランドでは授業が終わり部活動が始まっていた

『南朋)なぁ、お前水無月一颯だろ?』

『一颯)そうですけど』

どうして、私の名前を?

『南朋)生徒会に入れよ』


ニヤリと笑う先輩
手から滑り落ちるポーチ

ポカーンとしている私

『一颯)いや、無理ですよ
私、もう部活決まってるんで』

そう、決めてる
昔からずっとやってきた

『南朋)陸上部?』

私は静かに頷いた。
そう、幼い頃から陸上をやってきた

『南朋)でもさ……お前……』

『一颯)確かに、幅跳びは出来ませんよ。
でも、走ることは出来ます。』

一年前、事故で腰に後遺症をもった私
大好きな幅跳びは二度と出来なくなったけど
走ることは出来る

私の言葉に
先輩は小さく息を吐いた

『南朋)わかった。諦める…』

よかっ…

『南朋)なんて、言うかよ』

たじゃない!!

『一颯)諦めろよ!!』

『南朋)むーり!!絶対に生徒会に入れてやる!!』



これから始まった
私が先輩に追い掛け回される毎日が


生徒会になんて入らない!!