『一颯)あー!!やっぱり屋上さいっこー!!』

屋上に着けば寝転がる
持ってきたポーチから煙草を出す

ピアニッシモ
私のお気に入り


『おーい、一年
それちょーだい』

ヒョイッと目の前に現れた顔に
私は悲鳴を上げた


『ぅお!!』

その人はすぐに顔をどかす
私は起き上がり涙目になりながら後ずさる


『わりぃ、わりぃ驚かせたな』

その人は苦笑いしながら
私の頭を撫でる


この学園は
学年と生徒会でネクタイ、リボンの色が違う

一年は赤
二年は青
三年は緑

生徒会は学年を問わず
書記、会計は紫
副会長は白
そして、会長は黒なのだ

そして、目の前にいるこの人のネクタイは

『一颯)かい…ちょ…??』

そう、生徒会長なのだ

生徒会長、蒼依南朋アオイナオ

どっちが苗字で名前だがわからない人

『南朋)せーかい
で、それちょーだい??』

会長は煙草を指差し笑う
私は頷くと煙草を差し出す

『南朋)没収…なんてことは言わないけど
隠れて吸うのは駄目ね?
別に怒られるわけじゃないしさ
吸うなら生徒会室おいで?』

会長は煙草を一本だけ取ると
私のポーチへと戻し
ポケットから出した
薔薇と十字架の刻まれたZippoを取り出し火を付けた