キミの背中。~届け、ラスト一球~



「あまりにも可愛くないところを見られたから、変な汗が出て来ちゃった」


半べそをかきながら白いシャツの胸元をパタパタ仰いで、体の中に空気を入れる。


「今に始まったことじゃないのに」



そう言って口をへの字曲げ肩を上げるミナは「1時限目、体育だからまた汗かくね」と更に口をへの字に曲げ眉を上げた。


そうだった……。

今日は朝から体育だった……。


あたしがゲンナリすると、ミナは綺麗な二重の目を呆れ気味に垂らして口角を上げる。


ミナは、マネージャーらしくショートカット。


毎日外で野球部の面倒を見ているはずなのに、そんなに肌は黒くなくて、何故か帰宅部のあたしの方が黒い。


手足もスラッとしててスタイルいいし、最近スカートの上にお腹が乗ってきたあたしとは大違いだ。