その辺のことを考えていなかったあたしが感心すると、草太が呆れて笑う。
「そして、高校の近くに来たら、窓の外を見て下さいって」
そう言って、草太はみんなにラインの画面を見せてくれた。
陵雅さんから「え?なんで?ww」と返事が来ている。
草太は「まぁいいから」と打ち返すと、画面に既読が表示されても陵雅さんからは返事が返ってこなかった。
もう電車に乗り込んだ頃かもしれない。
「みんないいか!電車から少し距離があるから、出来るだけ体使って旗を振るんだぞ!!」
キャプテン草太の声に、あたし達は大きく返事する。
「いよいよだね」
あたしが言うと、草太は優しい表情で「ああ」と言った。
あたしがまたしんみりと顔を伏せると、草太が鼻で笑う。
「何?寂しいの?」
「うん、寂しい」
ハハハと笑う草太が、日差しが眩しそうに目を細める。
「でも、こうやってみんなと見送りが出来るから、幸せかな」
あたしが言うと、草太は「だな」と微笑んで、あたしの頭を撫でてくれた。
そして、スマホで時間を確認する。
「みんな用意いいか?もうすぐ電車くるぞ」
草太が言った時、遠くから電車の音が聞こえてきた。


