この高校を受験していなければ、あたし達出会ってないんだなと思うと、怖いです。
出会えてよかった。
陵雅さんを好きになれてよかった。
キラキラした思い出に、あたしは上を向いて涙をのみ込んだ。
「新堂、ありがとな。
新堂と出会えて、楽しかったよ」
陵雅さん……。
そんなこと言わないでください。
あたし、今必死で涙堪えてるんですから。
陵雅さんが必死で堪えてるのに、あたしだけ泣くわけにいかないじゃないですか。
あたしは顔いっぱいの笑顔を作って、大きく頷いた。
その笑顔のまま陵雅さんに手を振って、走って部活に行くふりをする。