草太の発言に、みんなは真剣な顔で体を近づけた。
「成功させるために、俺達は前もって兄さんの送別会をするんだ。ただ楽しくその日は過ごすだけ。それなら、兄さんもそんなに構えなくて済むだろ?」
うんうん。
あたしも草太の話しに聞き入る。
「でも、それだけじゃ素っ気ないだろ?俺達がお世話になった人だ」
野球部員が大きく頷く。
「文化祭の時、希歩に横断幕作ったじゃん。あの要領でさ、兄さんにメッセージを書いて、兄さんの乗った電車からよく見える場所でそれ掲げて待ってようぜ」
みんなが目を見合わせる。
「ちゃんと見てもらえるように、ラインしとけばいいだろ?」
すごい!!
それすごくいいよ!!
絶対陵雅さん感動すると思う!!
「あたしも手伝う」
あたしが大きく手を上げて言うと、草太が優しく微笑んだ。