キミの背中。~届け、ラスト一球~



草太の家に着くと、すぐに草太は自分の部屋に着替えに行き、あたしはリビングに向かった。


草太のお父さんは単身赴任で東京に。


お母さんは看護師で今日は夜勤みたいだ。


リビングの壁に掛けてある小さなホワイトボードに、『今日は夜勤。冷蔵庫の中のもの適当に食べて』と、おばさんの丸っこい字でメモがされていた。


携帯をなかなかうまく使いこなせない意外と不器用なおばさんは、メールではなくこうやってホワイトボードに伝言を書いている。


湯野家は、ずっと前からこうだ。


「あ、草太。おばさん、今日夜勤なんだね」


部屋でグレーのスウェットに着替えてきた草太に、小さなホワイトボードを指差しながら言う。


「んー、みたいだな」


草太はそう言って、おばさんの伝言を消し『焼きうどん作る』


と右上がりの尖った字で書いた。