キミの背中。~届け、ラスト一球~



「なんだ、先に帰ったんじゃなかったの?」


校舎裏の駐輪場でスマホをいじりながら草太を待っていたら、日が落ちた頃部活を終えた部員数人と大きなエナメルバックを肩から下げてやってきた。


「うん。まぁね」


軽く答えてスマホをスカートのポケットにしまう。


すると、部員数人の後ろから陵雅さんがひょっこり顔を出したので、あたしはサッと背筋を伸ばし頭を下げ、横髪を耳にゆっくりかけ直した。


それを見ていた草太が、引くような目で肩をすくめる。


「お疲れ様でした」


あたしが言うと、陵雅さんは野球部っぽくない爽やかな笑顔をあたしに向けた。


ミナが草太を爽やかで野球部っぽくないって言うから、あたしもその表現を使おうと思う。


トクントクンと心が温かくある。


なんだか急にこの場にいるのが恥ずかしくなって、耳にかけた横髪をまた垂らしたりしてみる。


唇を噛んで、前髪を必要以上に整えて。


それでも、なんだか落ち着かない。