キミの背中。~届け、ラスト一球~



草太は、しばらく真顔であたしを見た後に、何も言うことなく、肩に提げる大きな黒のエナメルバックを小さくジャンプするようにかけ直していた。


草太は、多くを語らない性格だ。


あたしが黙り続けていると、もう一度ポスターに目を向けてから教室に入って行く。


あたしも、もう一度ポスターを見上げる。


ポスターの中に描かれている楽器の絵が、何とも歪で、トローンボーンやクラリネットからはおもちゃのような音しか出てこなさそうだ。


ウチの学校の吹部にはふさわしい絵だな。


関係ない……。


あたしはもう、やめたんだ……。