ピッチャーの陵雅さんがグローブを構え、バッターの草太が“兄さん”を見据える。
白の半袖の下から出ている黒い部分で、一旦汗を拭った陵雅さん。
そんな姿でさえもカッコよくて仕方ない。
静かな教室でひとり、窓からグラウンドを見下ろす寂しい光景。
あたしは陵雅さんがボールを投げるカッコイイ姿を見る前に、窓に背を向け寄り掛かった。
グラウンドと同じく、オレンジ色に染まる教室。
とても温かな色なのに、何故か心寂しい。
何故だかわからないけれど、たまに遠くから響いてくる吹奏楽部の不安定な音が、それに追い打ちをかけた。


