キミの背中。~届け、ラスト一球~



突然不機嫌な声とともに、鋭く尖った水があたしの体に刺さった。


一気に髪や体育服が濡れ、雫が滴る。


「草太!! ちょ、何すんのよ!!」


顔についた水を袖で拭いながら草太を睨みつける。


草太は水道の蛇口をこちらに向け、指を使ってあたしにだけ水がかかるようにしている。


「ざまぁみろ」


口の端をクイっと上げ嫌みったらしく言う草太に、あたしは怒りで奥歯をギリギリと噛む。


「ムカつく~!!!!」


あたしが金ぎり声で叫ぶと、草太は勝ち誇ったように目を細め友人数人と歩いて行った。


草太の体育服の白い背中に向けイーっと前歯を出す。


ほんっと、草太は陵雅さんと180度違うんだから!!


水たまりの件といい、今といい、朝から何度あたしに水かけんのよ!!


こんなヤツがモテルとかあり得ない!!


ああもう!!

早く放課後になって陵雅さんに癒されたい!!