「来ちゃった……」




正門前に立ち、まっすぐに校舎に向かって伸びている道を見る。


大きい学校だなぁ。


さすが私立。


校舎も立派だし……。




昨夜、計のことを考えてよく眠れず、朝、登校するなり、また春菜に問いつめられた。


計が転校することを告げると。




「転校!? 薫、どうするの?」


「わかんない……」


「そっか。急な話だもんね……」




そう言って、春菜も黙ってしまった。


さすがに、こんな展開は、春菜も予想してなかったみたい。