そんなの、聞いてないよ!
驚いてると、おばさんは顔の前で手を振った。
「まだ、正式な転校の手続きは終わってなくて、このゴールンウィーク中は、仮の体験入学なんだけどね」
「体験入学……」
「そうなの。
もともと、向こうの先生には、すぐにでも来てほしいって言われてたんだけど、計は最初、大学から行くって言ってたのよ。
でも、熱心に誘われるうちに、気が変わったみたいで、昨日になって、急に、すぐにでも転校したいって言い出して」
「はぁ……」
「あの子も、コロコロ意見変えるから、こっちもてんてこ舞いよ」
すると、うちのお母さんが口をはさんできた。
「計君、特待生で、転校するんですって。
すごいわよねー」


