「あの、実は、今夜、友達が家に来ることになってて」 「あら、そうなの? ひょっとして、彼氏?」 「ち、ちがいます! そんな人いませんから! 女の子です! ガールズトークして盛り上がろうって感じです」 「あー、そっちねー。 いいわねー、楽しそう! だったら、さびしくないか」 「はい、全然!」 「そう、じゃ、また今度ね。 いつでも遊びに来てねー」 「はい、ありがとうございました!」 計のおばさんが、階段を上っていくのを見送り、 姿が見えなくなってから、大きく息を吐いた。