恋のコーチは幼なじみ


ニヤリ、


と唇の片方の端だけを持ちあげて、笑った。


あ、あの表情は……。




――ゴホゴホッ。




「わっ、本田さん、大丈夫?」


むせた私を心配してくれる悠馬君に、ウンウンうなずきながら、


ペットボトルのふたを開ける。


グビグビッとスポーツ飲料をのどに流しこみ、ほっと息をついた。


「ふーーー」


「大丈夫?」


「うん、ゴメン、もう平気」