ブンブンと大きく首を振る。 「全然、そんなことないから! あ、電車来た! 乗ろう乗ろう!」 作り笑顔で、電車に乗る。 だけど、私の演技は下手らしい。 「本田さん、やっぱりムリしてるんじゃない?」 隣に座った悠馬君は、また、気づかわしそうに私の顔をのぞきこんできた。 キャー、だから、近いって! 悠馬君、ときどき、距離感、おかしくなるよね? いや、うれしくないワケじゃないんだけど……、 でもやっぱり、恥ずかしいぃー!