恋のコーチは幼なじみ


昼休み。


教室に戻ってきた春菜が、ガバッと机に突っ伏した。




「薫ー、ダメだー。
やっぱり、知ってる子いないよー」




春菜は、今週ずーっと、計の片想いの相手探しをしてたんだけど、今日も収穫がなかったみたい。




「はいはい、おつかれー」


「いやいや、そんなのんきなこと言ってないで!
薫、計君からコーチ受けてるんでしょ?
彼自身の恋愛の話にはならないワケ?」


「私なりに聞きだそうとはしてみたんだけど、玉砕しました」


「はぁー、そっちもダメかぁ。
去年のクラスの女子全員に聞いたのに、だれもなにも知らないって、どういうことよ?」