恋のコーチは幼なじみ


っていうか。


今朝、計、悠馬君が私に笑いかけてくれたの、見てたんだ。


あのとき、計は、ちっともこっちなんて見てなかったのに。


すごい観察力……。


感心しているあいだにも、計の話は続く。




「それに、放課後デートっつったって、一緒に帰る途中、寄り道するくらいのデートでかまわない」


「寄り道、ねぇ」


「あぁ、そうだ」


「でも、どうやって誘えばいいの?」


「落ち込んでるフリをして、気晴らしにちょっと付き合ってほしいって、誘うんだ。
なにか、悲しいことがあったってでっちあげろ」