「だって、いっつも3人でいるじゃん。
しゃべってるのはたいてい池谷だけど、そのせいで、ほかの女子は悠馬君に近づけないワケでしょ?
そうやって悠馬君をほかの子からガードしつつ、計君は、さりげなく悠馬君の好みを探って、薫に伝授してさ。
そりゃー、薫、悠馬君にうまく近づけるはずだわ」
「あー、なるほど」
「計君、計算高いよねー」
「……計、そこまで考えてやってるのかなぁ?」
「そうだと思うよ?
彼、頭良さそうだし」
そのとき、1時間目の授業を知らせるチャイムが鳴って、話はそこまでになっちゃったんだけど。
計、本当に、そこまで計算して動いてるのかな?
それに、片想いの相手っていうのも、気になる。
あと、このあいだの赤い車の人も。
今日、踊り場で会ったら、聞いてみようかな……。


