3人は、並んでこっちに歩いてくる。
それを見て、廊下にたむろっていた、あちこちの女子グループが、悠馬君と計に熱い視線を送っている。
でも、大声で、悠馬君と計にしゃべっている池谷君に気おくれして、ふたりに声をかける女子はいない。
「ハハハ、相変わらず、うちの2トップを独占してるわね、池谷」
春菜は、苦笑しながら、その様子を眺めてる。
3人は少しずつ教室に近づいてきて……、悠馬君が私に気づいた。
――ニコッ。
わわわっ! 今の、私に微笑んでくれたんだよね?
あわてて、微笑みを返すと、3人はそのまま教室に入っていった。


