「いや、それは、そっちの都合でしょ?
俺は、部屋なんていらないって言ったじゃん」


「それはそうだけどー。
でも、楽しいと思うわよ?
きっと、気に入ると思う!
ね、考えるだけ、考えてみてよ」


「……約束はできない」


「もうっ、相変わらず、つれないなぁー」




ハンドルを握る彼女は、唇をとがらせながらも、笑顔だ。


それだけ、俺をとりこにさせる自信があるんだろう。


ゴールデンウィーク、やっぱり断ればよかったかな。


いや、いっそ、すべて白紙に……。


けど、それは、俺ひとりで決められることじゃない。


あーぁ。


めんどくせぇ……。