「あっ、天宮君!」 ざわつきの中心から、俺を呼ぶ声。 そっちに顔を向けると……。 「あ……」 「よかった、見つけられて!」 「えっ、計、あの美人と知り合い?」 章太は、目を丸くして、その女と俺を見比べている。 真っ赤なスポーツタイプの車の横に立った彼女は、たしかに美人だ。 ウェーブした長い髪を肩から払って微笑む、きれいにメイクした大人の女。 彼女は、井出 有季子(いで ゆきこ)。 ここ最近、俺がずっと避けてた女だ。