笑いながらそう言う悠馬君に、私はちょこんと頭を下げた。 「雑談につき合わせちゃってごめんね。 悠馬君、本当は真面目に授業聞く人でしょ?」 計に仕込まれた上目遣いで、そう言うと。 「気にしないで。 あんなふうに筆談で喋ったのって初めてで、面白かったし」 「そう?」 「うん。 本田さん、かなりマニアックなサポーターで、中身の濃い話ができたし、楽しかったよ」 「そう思ってくれたんならよかった。 私も楽しかったよ。 特に、日本代表の話!」 笑顔でそう言ったとき、電車が1つ目の駅に着いた。