なんだよ、今日は箱ごと持ってかないのかよ……。 手元に残されたポッキーの箱を持てあまし、 しかたなく、カバンにしまう。 また明日、食べて見せれば、いっか……。 正直なところ、俺は、それほどポッキーが好きなワケじゃない。 これは、あくまでも、薫を釣るための道具。 その証拠に、俺が食べるのは、薫に見せつけるための、1,2本だけだ。 俺はポッキーをしまったカバンを持ち、階段を下りて、家の玄関を開けた。 「ただいま」