「隙ありっ! 1本、もーらいっ!」 「あっ、コラッ、薫!」 慌てて計がこっちを見たときには、ポッキーはすでに私の口の中。 ――モグモグ……。 んー、おいしいっ! 幸せーーー! 「ったく! どんだけ食い意地はってんだよ!」 「いいじゃん、1本くらい! じゃ、明日は、偶然よそおって、悠馬君を待ちぶせしてみるよ。 じゃーね!」 計につかまらないうちに、と、私は急いで家に逃げ帰ったのだった。