「そ。
テニス部が終わる時間は、バスケ部と同じだ。
ただし、男は着替えがはやい。
だから今まで、帰りの電車で悠馬に会ったこと、なかっただろ?」
「うん」
「だから、おまえは今までの倍の速さで着替えろ」
「ば、倍、ですか……?」
「あぁ。じゃなきゃ間に合わねー」
「ううぅ……、りょーかい」
「で、駅で、悠馬が来るのを、待ちぶせするんだ。
男子テニス部は、悠馬以外はこっち方向の電車のヤツはいないから、悠馬はひとりで来る。
そこを、つかまえんだよ」
「なるほど」
「ただし、あくまでも、偶然、だぞ?
いかにも、待ってました、ってのは、引かれるし、警戒される」
「うん」
それはそうかも。
だって、ひとつ間違ったら、ストーカーだよね……。


