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「………ぁ!…あ!ちあ!」
「…んんんっ⁇⁈」
るいに呼ばれてた。
「何ぼーっとしてるの!話さないの?」
声がおっきくならないように
気をつけながら、るいは小声でそう言う。
あたしは…
あたしは、どうしたいんだろう。
ーーーーーしゅっ。
また。心臓をかする音がする。
ふいに悲しくなって、
あたしはムリヤリ笑顔を作った。
「今日はもう帰らなきゃいけないの!
ごめんね!ピアノだから、、また今度!」
そう早口で言って、
一目散に教室を飛び出した。
「ぇっ⁈ちょ、ちょっとちあ!」
るいが叫ぶのも聞かぬふり。
唖然としてる辻もほったらかし。
あたしは、家へと自転車を飛ばした。
こんな気分では、
辻となんて話せるわけがなかった。
今日辻に会って、
意味もわからない自己嫌悪と…
会えて嬉しいというときめきが
心の中でぐちゃぐちゃになっていた。
あたしは辻の、チカラになれない。
一方的に、すきなんだ。
辻にとっては、何の得にもならない、
あたしの気持ち。
辻が苦しんでるときに、
なんでときめいちゃうの?
最低だ、あたし。
こんなあたしが、
辻をすきでいていいんだろうか。
帰り道、ぐるぐるぐるぐる、
おんなじことばっかり考えていた。
