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帰ってきてからずっと、
辻のことばかり考えていた。
「はぁぁぁ~~~………」
またため息をついてしまった。
そんなとき。
「ちあー!るいちゃんから電話ー!」
お母さんに呼ばれた。…るい?
「もしもし…?」
「あ!ちーちゃん⁈あのね…!!!!!
辻、ちーちゃんのことすきだよ!」
「………ぇ?」
いやいやいや、この人、何言ってるの。
そんなわけないでしょ。
あたしはきっと、嫌われてる!!!
「………でね、放課後ね、…そしたらね
………って…、顔真っ赤で…」
聞けば聞くほど、信じらんない。
辻と…両想い?
信じられないけど、
あたしがすきで居続けるのが
少しでも許された気がして、
すっと軽くなった。
「るい、ありがとう。」
そう言って電話を切り、深呼吸をする。
まだ…がんばれることがあるかもしれない。
辻のために、何かできることが…。
