暗闇の中で、黒い服を着た男の人と銀色の髪をもつ少女がいた。

男はおびえた目で、少女はつり目で睨み互いに見つめ合っていた

少女は、右手で自分の着ている水色のワンピースの胸元に付いた桃色のリボンを片手でほどいた。

リボンは桃色から銀色にみるみる変わり、気づけば彼女は色も形も大きく変化した大剣を手にしていた。


「ひっ!!」


男は思わず情けない声を出しながら退くが、少女は大剣の先を男の鼻先につけたので動けなくなっていた。


「命だけは・・・!」


大声で叫ぶ男に少女は睨み、さっきの声が聞こえなかったかのように大剣を男の頭上まで振りあげた。


そしてーーーー、勢いよくおろした。


「う、あ、あああぁぁぁ!」


男の最期の悲鳴と鈍い音が、暗闇にいつまでも響いていた。