その牙であたしを捕らえて



「…え」



「こんなキレイな髪の毛を切るなんて勿体ないよ。ちょっと待ってね」



すると男の子は器用に絡まった髪の毛をほどいてくれた。


「うわーありがとうございます」



「ううん僕が悪いから。きみ名前なんていうの?」



「妃山優姫です」


「優姫ちゃんかぁ。僕の名前は仕騎颯人(シキハヤト)よろしくね」


「はい!こちらこそ!…あっ学校遅れちゃう!颯人くんまたね」


あたしは夢中で学校へ向かった。

颯人くんが不敵な笑みを溢していることも知らずに。