自殺者が年間3万人の日本で、


精神科のドクターが忙しいのはわかる。


だけど、たったこれだけの会話で


何がわかるのだろうといつも不思議に思う。


けれど、カルテにはいつも何らかの


文章を書き加えている様だ。


あのカルテにどんなことが書いてあるのかは、


大体予測できる。




 小田 裕人(オダ ヒロト) 15歳


会社員の父と小学校教師の母と三人家族。


地元である、東京の私立中学校に通っていたが、


友人の自殺未遂によるショックから不登校。


身体的な症状としては、拒食、嘔吐、不安症状。


地元の精神科病院を何院か受診。


中学卒業後、母親の希望で彼女の実家に預けられ、来院。


薬物療法と、対人関係療法を用いた治療を継続して行
う。




きっと、こんな所だろう。



宗太の自殺未遂については


もっと詳しく書かれてるかもしれないし、


それに僕が関わっていたことも、


もしかしたらわかっているのかもしれない。