「ヒロ君のこともきっと、傷付ける。


そういうのが嫌になったの。


だから、死んで終わりにしたかったの。」


ごはんをたべることも、


はなすことも、


わらうことも、


はしることも、


ひとをすきになることも。



一つ一つ、選び出す様に呟く彼女の言葉を


じっと聴いていた。



 涙は、ずっと流れ続け、


頬から零れ落ちたしずくがコンクリートにちいさな跡を残す。


ほっぺたにくっついた彼女の髪の毛を、そっとはがす。



「・・・それでも、雫が生きててくれて嬉しいよ。」



彼女の目を見て、ゆっくりと、そう話した。
      


雫の頭を抱き寄せ、そっと抱きしめる。