ギコギコッ。と錆びれた音を出しながらどこに誰がいるのだろうと探す。
その音は、祀莉から少し離れた場所にあるブランコからしていた。
一人の女性がブランコを揺らしながらいた。
服装は上下とも黒の喪服のような姿をして、髪は黒のセミロング、風で髪が揺れ今、風が出ているのがわかる。

｢あの……あなただけなの？｣

あまり近づきたくない。と思うのにどうしてなのか、女性から出ているオーラがなんとも言えない寂しい感じがする。

｢あの方が嫌いなのは……血。
でも、わたくしは好きよ｣

｢血？｣

祀莉は誰になにを言ってるのかわからない。

｢あの、えっと……お腹、すきません？｣

祀莉のお腹がグゥ〜と鳴った。
恥ずかしそうに顔を赤くして女性を見た。
下を向いていたので、どんな顔をしていたのかわからなかった。

｢お腹……そうね｣

今の時間は朝8:31。
兄とケンカしたのはその1時間程前。
休みの日、なんだろう。と思い兄のもとに行ったらケンカしてしまった。

ブランコから立ち上がり女性は祀莉の後について行く。