(未定)

悲しき人――。

あの人は偉いだけでちやほやされず形だけの当主。
たぶん、迅は知らない。
どうして当主が選ばれるのか?
どうして当主がいるのか。
なんのために、当主の役目とはなんだろうか?

そして指輪の意味とは。
わからないことがこの屋敷に溢れている。

迅は今なにしているのだろう。

ハァ〜。とため息を落とし迅のもとに戻ることはせず薄いシーツをしっかりと体に纏い長い廊下を歩く。


「迅。
わたくしたちは、あなたの実験の結果なのよね」

忌まわしきこの体。
忌み嫌われているから外では暮らせずここからも出ることは許されない。
監禁と言っていいと思う。
今も歩いているだけでも誰かに見られているだろう。
一人になれる場所はこの屋敷にはないのかもしれない。
とくに、妃乎は。
お風呂や寝るときも妃乎は一人にはなれないだろう。
おそらく、迅といたさっきも誰かに見られていただろう。

悲しいのは監禁されている自分たちかもしれない。

「……」

違う。と思い首を振るう。