なにを根拠に関係があると言うのだろう。

「生まれることに意味はあるの?」

生まれて死ぬまで。
きっと自分だったら耐えられない。
そのことを知った瞬間死を選ぶような気がする。

「俺たちが生かされているのは……生きる意味は“後継者”候補だから」

「後継者候補?」

頷く。

「ごめん、それは言えない」

「そう」

全部言えないのはわかっていた。
あまり深入りしたくないけど何故、自分に関係があるのか知りたい気もする。

「この屋敷にいる人たちは寂しい過ごし方をしているのね」

「寂しい?」

そんなことを言われたのは初めて。
ここに人が来ること自体まれで妃乎と迅、兄や弟、妹のほかに人を見たことなく話したこともなかった。
父親と母親も自分の子供が変だと知れば手放し育児放棄。会いたいとも思わない。
たぶん、向こうも会いたいとは思ってないだろう。
それより、暉を生んだことを忘れてるのかもしれない。
でも、神谷家でいる限りは暉のような子供は生まれる。
今この瞬間、新たな生命が生まれ生きることを否定されていると思うとやるせない気持ちになる。