(未定)

狐の嫁入り。
晴れているのに雨が降っていること。
そんなことをふっと思い空を見上げる。

――ピカッ……ゴロゴロ

「キャ」

耳を塞ぎ雷の光が見えないようにしゃがみこむ。

「雷、怖いのか?」

雷が鳴るたびに祀莉は震えている。
暉は立ち上がり自分の体で雷の光から音が聞こえないように固く掌を重ねる。

「大丈夫。
すぐに雷は遠くにいくから」

「……本当?」

見上げた瞳は涙が出ていた。

「だ、大丈夫。
ほら雷が鳴らなくなっただろ?」

と、言うと確かに雷の音が聞こえなくなっていた。
初めて会った人にこんな姿を見せるなんて、今までなら絶対になかったのに。どうしてなんだろ。この人の前なら弱い自分を見せても恥ずかしいとは思わない。

「あなたは猫なの?
……人、よね」

「……」

祀莉から離れ暉は家のこと、おかしなこの状況と自分のことを包み隠さす話すつもりだ。
「どっちも俺だ」

不思議と驚かない。どこかで納得している自分がいてそれが不思議。
だから私が性別を確認しようとすると尻尾で叩かれたんだ。
ごめん……心の中でそっと謝り暉の話しを真剣に聞く。