涙目でもうこの人に訴えるしかない。
わかってくれるかわからないけど、妃乎は迅の心に響くことを祈る。
「わかった」
蹴るのをやめ妃乎の方に振り向き、ゆっくりとあごを持ち上げ唇をなぞり言う。
「今からオレの部屋に来い」
「……」
いや。とは言えない。
暉を横に優しく置き掌を迅に差し出した。
それを受け止め一緒に歩き出す。
「いく、な……!!」
よろよろと左右に体を揺らし立ち上がり呼び止めるが妃乎は振り向くことがない。
「妃、乎…さ、ん……」
ようやく声が出すことができた。
少しの間、妃乎が止まったような気がした。
激しさがます雨の音で祀莉の声が聞こえたかわからない。気配で一瞬止まっただけかもしれない。
暉は薄れていく意識の中、妃乎を呼び止めることができないと思いゆっくりと目を閉じる。
「ひ、かり……さん……?」
祀莉はなんとか這いずり暉のもとに行き、腕に抱き立ち上がり猫の姿の暉の毛が赤くなっていた。
暉がケガしてるのかな。と思っていた。それは違っていた。
自分の口から出ていた赤い血。
たぶん、さっきの男に放り出されたときに口の中が切れて、もちろんお腹はまだ痛い。
今になって口の中が苦く感じる。
わかってくれるかわからないけど、妃乎は迅の心に響くことを祈る。
「わかった」
蹴るのをやめ妃乎の方に振り向き、ゆっくりとあごを持ち上げ唇をなぞり言う。
「今からオレの部屋に来い」
「……」
いや。とは言えない。
暉を横に優しく置き掌を迅に差し出した。
それを受け止め一緒に歩き出す。
「いく、な……!!」
よろよろと左右に体を揺らし立ち上がり呼び止めるが妃乎は振り向くことがない。
「妃、乎…さ、ん……」
ようやく声が出すことができた。
少しの間、妃乎が止まったような気がした。
激しさがます雨の音で祀莉の声が聞こえたかわからない。気配で一瞬止まっただけかもしれない。
暉は薄れていく意識の中、妃乎を呼び止めることができないと思いゆっくりと目を閉じる。
「ひ、かり……さん……?」
祀莉はなんとか這いずり暉のもとに行き、腕に抱き立ち上がり猫の姿の暉の毛が赤くなっていた。
暉がケガしてるのかな。と思っていた。それは違っていた。
自分の口から出ていた赤い血。
たぶん、さっきの男に放り出されたときに口の中が切れて、もちろんお腹はまだ痛い。
今になって口の中が苦く感じる。



