兄のもとから去り、やっぱり指輪を返しに行くべきだろう。と思い、指輪の持ち主の神谷家に行くことにした。
場所は……兄の部屋で見つけた。
秘密で入り机の上に置かれていた紙に住所は書かれていた。
なにかの役に立つだろうと携帯に記した。
住所はすぐ近くにあることがわかった。


そこに行くと建物は見当たらず、あるのは木と竹、雑草が生い茂ってるだけだ。
ここに家があるとは思えない。
奥を見てもなにかが立っているようにも見えない。

本当にここにあるの?
と、疑っているとピィーとけたたましい音が鳴り響いた。

「なに?」

警報機の音だ。
どこに警報機が……探してもそれらしきものは全くない。
木に触ってみると、触れなかった。
手が木の幹を通り抜け、それは本物に見える偽物。
幻のようなCGのようなとてもリアルで精巧にできてる。
その木に見入ろとすると声が聞こえた。

「どちらさま?」