蒼空の三学期最初のおサボリは、大嫌いな担任の授業で実行された。



行き先は資材室。



優羽やその他の生徒会役員と会う可能性もあるが、この前のように寝入ってしまうことが無い限りタイミングを見て抜けることはできる。



蒼空は資材室の窓際のソファに座った。



膝に毛布を掛けて後ろにもたれた。



そして肩より少し下まで伸びた自分の横髪の毛先をつまんだ。



漆黒の美しい髪は、誰もが振り返る赤茶色の髪に変わっていた。



梅ヶ丘学園は基本的に髪型や髪色に規則はない。



校内は茶髪の生徒も多い。



しかし特進組では珍しく、ちょっとした噂になったのだ。



「そんなに珍しいのかなー」



蒼空は呟いた。