蒼空は興奮した状態で廊下を歩いていた。



このまま教室に戻り、授業を受ける気にはとてもなれなかった。
二時限目は、今、蒼空の気分を害した担任の授業になる。



どうしようかと悩んでいると、職員室の隣にある体育準備室から優羽が出てきた。



蒼空は足を止めて、優羽を見た。



優羽は蒼空に気付くことなく、手に何かの書類を持って別棟に続く渡り廊下へ姿を消した。



〔もうすぐ次の授業が始まるのに…〕



その時蒼空は、優羽に興味を持った日のことを思い出した。



「あっ…」



あの時の行動の意味がわかるかもしれない…。



蒼空はそれを知りたい衝動に駆られた。


もう一度職員室に戻り担任に「体調不良」を伝えてから、すぐに別棟へ向かった。