自分の中で目標が見つかってから、蒼空は今までとは比べものにならないくらいの行動力をみせた。



二年生に進級するために、学園にクラス変更希望届と、来年度からの特別処遇申請書を朝一番で提出した。



提出した時、教師の目が点になっていたのが印象的で面白かった。



しかし、何か言われそうだったので足早に職員室を後にした。



特進組に行くと、今日は優羽の姿があった。



蒼空は早朝の登校はやめて、授業開始に間に合う時間に到着するようにしたので、クラスのほとんどが揃っている状態だった。



蒼空は窓際から2列目の一番後ろの席に座り、授業の準備を始めた。



蒼空は二年から特進組への進級は諦めたが、自分のできる範囲で勉強は続けるつもりだ。



授業内容を完全に理解することは出来ないが、ノートに書き写して後でゆっくりと復習する事はできる。



特進組でいられる間、特進組で得られる事は得ておきたい。



そして蒼空の心に力を与えた、優羽がいる特進組で過ごす時間を大切にしようと思った。