特進組で続ける事が無理と感じてから、蒼空は授業が楽しく無くなった。



もちろん、勉強だけが取り柄の蒼空がそんな風に感じるのは初めてだ。



〔もー、最近初体験ばっかりだわ…〕



二学期終業一週間前、蒼空は体調不良を理由に初めて授業をサボった。



一応体調不良が理由なので、蒼空は保健室のベッドに休んだ。
というか、休まされた。



蒼空の病気の事は学園側に報告済みなので、保健室医ももちろん知っている。



蒼空が保健室にやって来た途端、有無を言わさずベッドに連れて行かれたのだ。



仕方なく蒼空はベッドに横になり、布団を被った。



「家に連絡入れとこうか?」



蒼空が布団を被ったのを見届けてから保健室医が訊ねた。



「!!いいです!!すぐに良くなります!!」



家に連絡なんてした日には、専業主婦の母親が車を飛ばしてやってくる。



蒼空は慌てて連絡を拒否した。



授業が面白くなくてサボったことが親にバレたら、すぐにでも学園を辞めさせられる。
それだけは避けたかった。



〔まだ…ダメだ…〕



蒼空は心残りが完全に無くなってから学園を去ろうと決めていた。