優羽が帰宅してしばらくした頃、蒼空は自分の部屋のベッドに休み天井を見つめていた。



「本当に…一緒に帰ってきて…部屋に来たんだよね…」



今日の1日を蒼空はまだ夢のように感じていた。



半年前まではそんなことは想像する事もできなかった。



学園に入学した時からずっと気になっていた相手と、秘密の共有をし、冗談を言い、病気の事を話すようになるなんて…。



蒼空は腕を伸ばし、机の一番下の引き出しを開けて、中からある物を取り出した。



寝転がったまま顔の上に持ち上げて見つめたのは…



「…シャボン玉…」



蒼空はシャボン玉の液が入った容器を軽く横に振った。



中はまだ半分ほど残っているが…



「また補充しなくちゃ…」



と呟いた。





シャボン玉は蒼空にとって大切な物の1つで、人生の大きな決断に関わっているのだ…。