「あの子は思ってること何も言わないし、黙々と1人でなんとかしようとする頑張り屋さんだから、学校でもそうなんだろうな…って思ってたんだけど…。」



〔確かに、1年の時はあいさつしただけで、後は周りとも話していなかったな…〕



優羽はふと、思い出した。



「今日のあの子を見てビックリよ!あんなに話してるのを見たのは初めてじゃないかしら?」



蒼空の母は笑った。


それを見て優羽は少しほっとした。


〔さっき泣くかと思った…〕


泣かれるのは苦手だ。




「学校には娘が心を開く相手がいたのね…。親なのに何もわかってなくて…。ダメな親ね…。」




〔あいつは俺に心を開いてるか…?いや、だったら病気の事も話してるだろうな…。〕


優羽はもやっとした感じに襲われた。



「……重荷を負わせるつもりはないのよ…。ただ、1人だけでいいと思っていたの…。あの子の本当を見せる相手がいたらいいなって。私では役不足みたいだし…。」


蒼空の母は一瞬寂しそうな表情になったが、パッと切り替えて明るい表情になった。


「その子のことうらやましい~!って思うけど……学校に行ける間は、今まで通りにあの子と接してくれたら嬉しいです。よろしくお願いします。」


蒼空の母は頭を下げた。


「以上!長い独り言でした!」


と言って、蒼空の母は頭を上げて明るく笑った。