優羽と蒼空が資材室で会って数日が過ぎた。


蒼空はほぼ毎日資材室にやってきてはスヤスヤと眠る。


優羽は『生徒会の仕事』と称して、学園公認の欠席をもらい、生徒会室で自己学習をしている。



普通なら有り得ない状況だが、梅ヶ丘学園高校には特別措置がある。



《特別処遇》⇨特別な理由により、授業日数、単位などが、進級または卒業の条件を満たさない者に対しての学園公認の措置。



生徒会役員は生徒代表で他校や研修に参加する事があるため、必然的に特別処遇対象者になる。



この措置により、優羽は堂々と授業をサボることが出来るのだ。

もちろん、措置だけで許されている訳ではない。

優羽の普段からの人徳によるものが一番の理由になる。


学園側は、学園にとってマイナスになる事さえしなければそれでいいのだ。
優羽は成績優秀で生徒会長、日頃の校内態度も悪くない。
成績においては、学園の評判を上げてくれている功労者だ。


優羽が『生徒会の仕事』と称した欠席を申し出て、学園側が叱責するはずがない。

学園側は優羽のサボリを黙認しているのだ。